イイトコサガシが大変お世話になっています、さくらcafeさんやひとのまさんと一緒に掲載!
会話 イイトコ発見
高岡でワークショップお披露目
ルール意識 仲間と前進
つながる発達障害(中)
今月下旬、高岡市東上関のコミュニティハウス「ひとのま」で、ワークショップ「イイトコサガシIN富山のお披露目があった。
全国で300回超
イイトコサガシはテーマに沿って「切り口を3回変える」など八つのルールを意識しながら会話し、会話の良かった点(イイトコ)を指摘し合うワークショップ。
会話に苦手意識のある発達障害の当事者の対話能力を図ろうと、東京の当事者会代表の冠地情(かんちじょう)さんが中心となり、2009年から全国で300回以上開かれている。
お披露目に参加した一人、富山市の金谷尊徳(かなたにたかのり)さん(35)は6年前にアスペルガー症候群と診断された。
言葉の裏の意味を理解するのが苦手で、中学生の頃から
「変なやつと思われたくない」
と、会話に消極的になっていった。
「イイトコサガシは、切り口を変えるとか、共感を心がけるとか、これまで意識してこなかった会話のルールが面白い」
と言う。
幼い頃から周囲になじめなかった。
発達障害がテレビなどで取り上げられるようになって、忘れ物が多かったり、音やにおいに敏感だったり、特性が自分に当てはまると思い、診断を受けた。
金谷さんが前向きに変わり始めたのは、11年に、発達障害の一つ「学習障害(LD)」を持つ南雲明彦さんの講演を聴いたのがきっかけ。
障害をカミングアウトし、講演や著書で理解を広めようと活動する姿に心打たれた。
南雲さんの講演があったのが、ひとのまだった。
その頃からひとのまや富山市の「Y'Sさくらカフェ」に通うようになり、 そこに集う発達障害の当事者と交流するようになった。
コミュニティカフェ
客観視へ一歩
金谷さんにとって当事者との交流は「居心地がいい」というだけではない。
「自分の障害を客観視できるようになった」
と言う。
発達障害についてもっと深く知ろうと、4月からは通信制大学で学ぶ。
富山で初めてイイトコサガシのワークショップが開かれたのは昨年8月のことだ。
金谷さんを含む当事者ら数人が会話の楽しさに目覚め、今度は自分たちでワークショップを開こうと1、2月両月に再び冠地さんを呼んで計4日間のファシリテーター(促進役)研修を受けた。
勉強会を重ね、今月下旬、発達障害の保護者や支援者らへの「お披露目」に至った。
今後は富山のみならず北陸でワークショップを開いていくつもりだ。
金谷さんはイイトコサガシのファシリテーターを務めるとともに、機会あるごとに自分の障害について語っていくつもりだ。
これまでに2回、発達障害の保護者を前に講演した。
講演後、
「疑問が解けた」
と喜びの声が聞けるのがうれしい。
最初のワークショップから研修、勉強会と見守ってきたひとのま代表の宮田隼(みやたじゅん)さん(30)はお披露目の後、
「卒業式を見ているような気分だった。富山で、自分たちで何とかやっていこうという姿は、見ていてわくわくする」
と話した。
成川彩(朝日新聞)
0 件のコメント:
コメントを投稿
コメントは承認後に表示されます。