※ 今回のワークショップに冠地情(かんちじょう:本名)は参加しておりません。
アスペルガー症候群などの広汎性発達障害がある人にとって難しいのが他人とのコミュニケーション。
自分が興味のあることを一方的に話すなどで注意され、対人関係虹スンを失ってしまうこともある。
会話のコツや楽しさを学ぼうと、岡山、熊本県などの発達障害当事者会が7月26日、合同のワークショップを岡山市内で開いた(中浜隆宏)
「夏といえば、アイス。何が好きですか」
「僕はチョコミント味ですね。それから『ガリガリ君」も」
「そうそう、僕も好きなんです…」
向き合って
座る男性2人が「好き」をテーマに笑いながら話す。
話題は好きな食べ物、プロ野球チーム、女性のタイプとテンポよく続いていく。
ワークショップには20~40代中心の当事者や支援者、保護者ら20人余が参加。
「質問・共感・会話の時間は2人で半分ずつ」 など八つの心がけ=表=を示したうえで、直前に与えられたテーマについて会話した。
楽しく話すため「興味がない」「良く知らない」「やったことがない」というのはタブーだ。
3分間の会話が終わると、見守っていた参加者が「話題を転換するのがうまい」など、良かったところを次々と挙げる。
批判や注意はしない。
記者も勧められ会話に参加した。
テーマは「本」。
初対面の相手に話が詰まりがちだったが、後で「記者だけに聞き方がうまい」などと褒められると、正直うれしかった。
こうしたワークショップは東京の当事者会「イイトコサガシ」がはじめ、広まっている。
「発達障害のある人は会話について注意され『自己肯定感を失いがち。人前で声が出なくなる人もいる」と岡山県の当事者会代表の福井豪さん(29)=岡山市北区。
ワークショップは会話のこつをつかむとともに、よかったところを認められることで自己肯定感を取り戻す狙いもある。
司会を務めた熊本県発達障害当事者会Little bit顧問で精神保健福祉士の山田裕一さんは「コミュニケーションの練習をしようにも、なかなか機会がない。楽しく試行錯誤してほしい」と意義を語った。
※ イイトコサガシ・ワークショップは練習ではありません。
(訓練でも勉強でもトレーニングでもありません)
コミュニケーションを楽しく試す、気付く、創り上げるワークショップです。
参加者は、キーワードや時間をあらかじめ決めた短く簡潔な話し方や自己紹介も体験。
仕事や気持ちの切り替え方についてのテーマトークもあり、悩みや解決を話し合った。
今回のワークショップは福井さんが東京の集まりに参加し、コーディネーターの山田さんと知り合ったのがきっかけ。
岡山、熊本県のほか、交流のある島根、宮崎県の当事者会が共催した。
「予想以上に多くの参加があった。今後も機会があれば開きたい」と福井さん。
当事者会のネットワークづくりを目指し、多くの団体と交流している山田さんは「当事者会はまだ数が少なく、運営は手探り。地域を超えて運営のスキルを共有したい」と話している。
「発達障害と歩む」のご感想、情報をお寄せください。〒700-8534、山陽新聞文化部、ファックス 086-803-8146、メールhattatsu@sanyo.oni.co.jp
8つの心がけ(ふぁみえーる:冠地情(かんちじょう:本名)のインタビューより)
1、楽しい会話をしましょう
辛い話をしたり、心の傷を分かち合う会話ではなく、とにかく楽しい会話を目指しましょう。
2、会話の時間・質問・共感を半分にしましょう
片方がずっと話したり、片方がずっと質問ばかりするのではなく、それぞれが話す時間や質問する時間、共感する時間が半分ずつになるようにしましょう。
3、会話のキャッチボールを15秒くらいで試しましょう
延々と1人語りをするのではなく、会話のキャッチボールができるように、目安として15秒くらいで自分の考えや意見を話し、それを相手に手放すようにしましょう。
4、質問と共感を「分かりやすく」2回は試しましょう
相手への質問と共感について、「やっているつもり」ではなく、身振り手振りで誰が見ても「質問してる」「共感してる」と分かるくらいに2回試してみましょう。
少し大げさなくらいで構いません。
5、テーマを主役に話しましょう
話しているうちに話題がテーマから逸れたら、「元のテーマに戻りましょう」と言って戻るようにしましょう。テーマを大切にする、ということは、話しかけてくれた相手を尊重するということに繋がります。
例えばナデシコジャパンの話をしていたのに、「それよりWBCがさ」と別の話をし始めると、ナデシコジャパンの話をしていた人は面白くないと感じてしまうかもしれません。
5分間という限られた時間なので、テーマと相手を尊重して話しましょう。
6、相手が質問を忘れてしまっている場合は、「私ばかり質問してすみません。今度は私に質問して頂けますか?」と質問を相手に促しましょう。
具体的に3回連続で質問しそうになったら、その時こそが質問を促すタイミングです。
特に支援者の方が参加している場合には、支援者の方が当事者の方に一方的に質問を続けているケースが多くみられます。
つまり、質問しすぎているということは、相手が質問する機会を奪っている、ともいえます。どちらかが質問しすぎたり、ずっと受け身になったりするのではなく、バランスよく会話を続けられるよ うにしましょう。
7、切り口を3回は変えましょう。
ひとつのテーマについて話す、と言っても、切り口はたくさんあります。
実際にあった事例として、「夏」というテーマのとき、中学生の男の子がずっとアイスの「ガリガリくん」の話をしていたことがあります。
その光景自体はほほ えましいものでしたが、「夏」に関する話はガリガリくんだけではないはずです。
「ガリガリくん」の話をしたら、あと2つは違う話にしましょう。
花火の話や、夏休みの思い出、海の話など、切り口はたくさんあります。
たとえ海に1回しか 行ったことがなくても、それについて話せるようになっていた方がいいでしょう。
発達障害のある方の中には、1つの話題を掘り下げるのは得意だけど、いろいろなバリエーションで話すことに慣れていない方が多いです。
イイトコサガシの ワークショップでは、普段なら話さない切り口も、お互いに試してみる場にすることができます。
そうすることで引き出しを増やし、日常生活でも試してもらい たいと思います。
8、「興味がない」「よく知らない」「やったことがない」は使わずに、楽しい会話を目指しましょう。
「興味がないから」「よく知らないから」と会話をやめてしまう人もいます。
しかし、そうやって『思考停止』してしまうと、経験値として積み重なりません。
失敗体験が多い方は「よく知らない」という言葉が無意識に出てしまうようですが、この5分間だけはその言葉を封印して、「どうやったら会話が楽しめるか」 「どうしたらキャッチボールができるか」と考えることで、経験値をためていくようにしましょう。
ココマデーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
非常によい流れですね!
もっともっと交流が盛んになってほしいですし、もっともっと当事者会活動が盛り上がってほしいです。
イイトコサガシの冠地情(かんちじょう:本名)から提案がございます。
成人(大人)発達障害当事者・会の活動を皆で全面的に広報していきませんか?
新聞やテレビ出演、イベント告知を積極的に発達障害界隈全体でアピールしていきませんか?
もちろん、他団体であっても、です。
いや、他団体だからこそ、です。
自分の団体のPRって、結局のところ自画自賛に思われてしまって、あまり効果がないんです。
第三者が広報する方が効果があるんです。
他団体を皆で盛り上がるということは、発達障害界隈全体が盛り上がるということに繋がります。
そうなればだれにも相談できずに悩んでいる人も参加しやすくなりますし、協力者も集まりやすくなりますし、そうなれば行政も関わりやすくなります。
イイトコサガシはフェイスブック、ツイッター、mixi等でどんどん他団体を応援していきたいと思います!
賛同する団体が少しでも増えますように…
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