2013/08/05
社会浄化を目指す世論時報平成25年7月号『ディスレクシア? 解決法”美ん”とその仲間たち** コミュニケーションを創る』東京都成人(大人)発達障害当事者会イイトコサガシの代表、冠地情(かんちじょう:本名)が美んちゃん(ユーロデリ)と一緒に掲載です!(稲生記者、本当にありがとうございました)
以前、予告していました通り、美んちゃんとの対談が世論時報と言う雑誌に掲載!
非常に先進的な雑誌で、私が凄いと思ったのが以下の宣言です。
ココカラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
社会浄化をめざし 手から手へお届けします。
特定の政治・宗教・思想・権力に迎合しない世論を集め、広く社会全般の問題を真正面にとらえ、住みよい社会生活の実現を目指して、読者とともに歩みます。
ココマデーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
素晴らしい(拍手)
本当に美んちゃんと共に応援していきたいな、と思いました。
世論時報七月号 ディスレクシア? 解決法 〝美ん〟とその仲間たち
『コミュニケーション』
○ 東京都成人(大人)発達障碍当事者会イイトコサガシ代表の冠地情さんにお話を聞きました。
【うまくいかない理由】
冠地 2009年10月(4年目)からイイトコサガシの活動をしていますが、僕自身、六年前にアスペルガー&ADHDの診断を受けています。
小学生の頃から〝他の人たちと何か違う〟と思っていました。
きっかけは
『のび太ジャイアン症候群』
という本の表紙を見て。
もしかしてと思ったけど、怖くて開けなかった。
それでネットで検索したら、発達障碍という言葉が出て来て、母を呼んで
「僕これだよ!」
と言いました。
僕も美んちゃんと同じように、何だかよく分からないけど失敗するとか、孤立しちゃうとかで、仕事も続かなかった。
でも、創作表現者になりたいという夢があって、仕事は足掛け状態だったから、〝どうせ俺小説家だし〟とか、〝シナリオライターだし〟と思ってへこまなかったのが、今考えれば良かった。
美ん お母さんとは同居?
うまくいっている?
冠地 周りの発達障碍の人達と比較するとうまくいっているほうかな。
でも親からすればどうしてできないの? と。
僕からすれば、僕のせいじゃないと思っているけど、うまく言葉にならなくてお互い傷付け合ってしまう。
美ん 発達障碍かもと知ってからはどうでしたか?
冠地 最初は良かった。
俺のせいじゃないと。
でも一方で、これから、友達とか、恋人とか、家族とか親戚とかに対してどうするの?
と思った時に、やっぱりへこみました。
美ん 私はイギリスで
「DXと分かっておめでとう!」
と言われたけど、日本だと暗闇だよね。
冠地 当時、発達障碍の本を沢山読んだけど、できないことや失敗事例ばかりで、ではどうしたらいいかの答えが書いてないんです。
医者で診断受けて、相談しても明確なものがない。
それで、当事者の集まりに出るようになりました。
当事者会は必要だし、どんどんやるべきだけど、もう一歩、当事者が抱えているコミュニケーションや対人関係の問題を解決するとなると難しいことが分かりました。
美ん 私も、最初は仲間が出来て嬉しかったけど、うまくいかないところを話していても進まないと思って、何かやりたくて谷光監督と映画を作ったんです。
そうしたら、その年に発達障碍者の支援法が出来て、これはもう追い風だと思った。
冠地さんはネットで映画「DXな日々」の宣伝をしてくれていて、メールをするようになったんですよね。
冠地 共鳴の輪は広がっていきます。
当事者会の人達からも美んちゃんの話は聞いていましたし、美んちゃんとはどこかできっと会えると思っていました。
【イイトコサガシの活動】
冠地 僕が活動を始めるにあたって、当事者活動を長年している方に相談に行ったんです。
「コミュニケーションに特化したワークショップ・当事者会をやってみたい」
と言ったら、すぐに返って来た答えが、
「それは当事者同士でやるんじゃなくて、円滑に促進できる心理士や支援者がやることじゃないの?」
と。
最初カチンと来たけど、確かにそれは一理あるな…
いや、もっとあるなと思ったんです。
では、当事者で円滑に運営するために…
と考えたのが、〝批判・助言は一切なし〟のルール。
だいたいの揉めるきっかけは、何気ない批判、もしくは上から目線の助言からなんです。
でも、それだけでは足りなくて、〝良かったところを探し褒める〟もルールにしよう!
というのがイイトコサガシなんです。
「お前、なんで褒めるんだよ!」という喧嘩は基本、ないので。
イイトコサガシはやりたいからやっているというより、必要なんです。
美ん ルールは守れますか?
冠地 必ずそのルールや枠組みを熟知して、良かったところを褒める雰囲気を促進する人がグループに一人います。
最初は当事者だけでやっていたけど、それでは世界が狭くなってしまうので、親も支援者も一般でも誰でも来てください、と門戸を開放しています。
全国規模で開催を増やして、イイトコサガシのワークショップを拡めたいという目的がありますのでね!。
【遺伝を前向きに捉えて】
冠地 イイトコサガシをする前の当事者会で、或る女性が話したことです。
彼から結婚を申し込まれた。
でも、彼女はアスペルガーの診断を受けたことを彼にも自分の両親にも話していないと。
発達障碍は遺伝の要素があると言われているし、結婚には、出産もあり、お互いの家族に話したほうがいいのは解っているけど、関係が壊れてしまうのではと思って話せないでいると。
しかし、その深刻なはずの悩みを、意外と共有できなかった。
自分も含めて半年間引きこもっている人、なかなか就職が決まらない人等が共有するのは厳しかった…贅沢な悩みに聞こえてしまうのです。
これは、特性や生き辛さが違うことをもっと重く受け止める必要があるぞ、ということを実感しました。
美ん 私も興味がある。遺伝の話は、私の兄は勉強はできて、大学に行ったら会話ができなかったようで、辞めちゃった。でも、私は会話に特化している。
冠地 子供の時、テレビをよく見ていた影響かな。
美ん そういえば小学3年生から政治番組とかニュースが大好きでずっと見ていた。
でも、ドラマとか映画とか、推理するものは拾えない。
前向きに考えて、怒りっぽい母と私がうまくやって行けるいい例を作りたい。
母は、遺伝を全く認めないでマイナスに捉えているけど、私はプラス絶好調で、それを拡めていきたいと思っている。
やっぱり親子だからこそ理解しづらくて、避けてしまうけど、なんとかしたい。
家族で悩んでいる人も多いと思います。
冠地 僕らが生き残って来たってことは、遺伝子的に意味があるということなので、その役割を果たしていければいいなと思っています。
美ん 育て方で、否定的に考えないで、いいところを探してあげれば、マイクロソフトのビルゲイツのようになるかもしれない。
〝いいことない〟から。
〝いいことある〟ようにするのが私の役目だと思っている。
冠地 そういう可能性にどうやったら気付けるか、どういうアプローチが必要なのかを知るためには、色んな人と交流して、色んな人の世界に入ってみたり、自分の世界に入ってもらったりすることです。
一人でゲームだけやっていても気がつかない。
多くの人は失敗体験が沢山あるから人の中に入りたくないとか、受け入れてくれるところにしか行かないという人が多い。
なので、安心して人の中に入って行けるような機会を設定しようというのが、イイトコサガシの原点なんです。
子供のころから夫婦間や親子間も含めて皆でワークショップが出来るといいなと思っています。
【人間関係が優先されている】
冠地 今の日本の多数派の人達は、コミュニケーションよりも人間関係を優先しているんです。
企業も多数派の空気が読める人達を採用してきました。
例えば親子でも、娘と妻が、お父さんに言いたいことがあっても言わない。
でも蔭では悪口を言っている。これはコミュニケーションではないです。
お父さんに思っていることを伝えて、皆でちゃんと話し合えればいいけど、それをしないから、お父さんは気が付かない。
これでは全然意味がないんです。
大人がコミュニケーションより人間関係を重視していれば子供もそれに倣います。
最初は発達障碍の人の問題かと思っていたけど、これは社会全体の問題。
社会全体でコミュニケーションを考え直さないといつまで経っても生きづらさはなくならないと思います。
その問題提起を活動を通して行う。
市民権、発言権を得て、メディアを意識していかないと…思っています。
トレーニングとか勉強ではなく、とにかく楽しく気付く、楽しく試す、楽しく創る…なんです。
【社会が変わり人が進化する】
冠地 コミュニケーションは技術ではなく、場数です。
発達障碍の人は片側通行のコミュニケーションが多いんです。
自分が話したいことを話すのではく、この人とどうしたら楽しい会話になるかということをチャレンジした回数が場数です。
そういう環境が整わないと、発達障碍の人達は生きづらさがあるから、前に出られないし、自分を守っちゃうし、下手すると守っているつもりで攻撃します。
いつまでたっても双方向コミュニケーションのイメージが曖昧なままです。
受け入れないほうにも責任があって、あの人は空気が読めないから、と思考停止させてしまっている。
空気が読めない人がいてもどうしたら楽しい会話になるかな…と対等にコミュニケーションを創り上げるという発想がほしいのです。
コミュニケーションの苦手な人の振り絞った勇気が、反映される世の中にならないと。
このままだと生活保護も欝も自殺も依存症も、ホームレス問題も確実に増えるだけです。
誰でもプライベートで会う人というのは、リラックスできて、好きな人とお付き合いしたいですよね?。
ならば、ボランティアや職場等、公の場では、コミュニケーションを試行錯誤できる環境作りに協力してもらえれば…と思います。
そういう環境が整ってくれば生きづらさも緩和されるし、お互いのコミュニケーションの問題も緩和されて行く。
美ん 理解出来ない人とは全く付き合わないという人は人生つまらなそうだね。
フェイスブックも、友達全員のは見ていられないから、いつもクリックしている人の情報が主にあがってくるように設定されている。
ネットは、興味があって検索したところの広告が毎回出てくるサービスになっている。
一理あるね。
夢はなんですか?
冠地 皆が、色んな人と異種交流できる機会が当たり前…という風景を見てみたい。
人は言葉を手に入れることで進化した。
次は、向かい合おうという姿勢。
伝え合いたいからこそ、試行錯誤する環境が必要。
それが整ったら、その先は社会が変わるだけではなく、人が次の進化を遂げるポイントになる気がします。
(完)
【映画:『DXな日々』概要】
美(び)んちゃんがまた失業した。
職場でトラブルを起こす原因は、彼女が抱えるディスレクシア(難読症)という発達障がいだ。
失業中でも稼がなければならない。
得意な料理の腕を活かした料理教室、ヘアメイクなど、読み書きとは関係ない仕事は楽しい。
NPOで仲間がいることを知った美んちゃんは、それ以降自信を持って前向きに生きられるようになった。
※ 平成24年度児童福祉文化賞受賞作品。
【ふぁみえーるさんのコラムにイイトコサガシの冠地が登場!】
イイトコサガシ代表 冠地情(かんちじょう:本名)氏
★連載第一回★
東京都成人発達障害当事者会「イイトコサガシ」代表の冠地情様に、メインの活動である【会話によるコミュニケーション能力向上ワークショップ】の内容をお伺いました!
続きを読む 更新日:2013.06.11
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