『ネットで受講する 家庭で理解する 発達障害基礎講座』
の講師であります、内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)について、
成人(大人)発達障害当事者視点で色々と解説させて頂ければ、と思います。
内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)はTEACHを日本で広く広めた実績をお持ちで、
その理論は多くの支援者の糧となり参考となり、支えとなっています。
以前にお邪魔した支援者の本棚に内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)の本がありまして、
少しお話を振ったところ大輪の花が咲いたことがありましたね!
私はあまり詳しくなかったので、逆にそれで勉強させて頂いたという(暴)
TEACHに関していえば、イイトコサガシは一度取材をうけたこともございます。
撮影のお話も頂いて、その際にやはりTEACH理論とその歴史をご解説頂きました。
(残念ながら撮影はお互いの都合で叶いませんでしたが)
その時は既に前述の通り、予習した後だったので、
どうしてどうして、なかなか話題についていけた記憶がありますね(笑)
それではもっと具体的に、もっと実用的に、内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)の文献の中で私が共感できた個所を抜粋して引用させて頂きます。
ココカラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
一定以上の知的機能を持つ子供が一定の年齢に達すると自分自身の特性をおぼろげながら把握し、自分なりの対処を取ることが多い。
時には不器用で痛々しいと感じるほどの自己流の対処法を編み出すこともある。
自分はコミュニケーションが苦手だから学校では一切話さないとか、満点を取る保障がなければ試験を受けないといった対処はよくみられる。
自分の本心を言うと笑われるから自分の本心を信用しないと語った子どももいる。
このような自己流の対処方法は本人に不利益をもたらしうるが、自閉症スペクトラムの子どもはそのイマジネーション障害のために自己流の対処法がもたらす不利益については思いが至らないことが多い。
通常学級で仕える特別支援教育実践のコツ児童心理2009年12月号 臨時増刊 金子書房
「自分の特性を自分で理解する」内山登紀(よこはま発達クリニック)
より、引用させて頂きました。
※ 金子書房の加藤さん、ありがとうございます(礼)
ココマデーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
この文章は初めて読んだときに戦慄が走りました。
周囲の特性理解への遅れが二次障害になってしまうその兆候を見事に表現してしまっているからです。
実は先日の講演(2011年5月21日(土)主催:NAGANOメンタルヘルス研究会IN長野県塩尻市)でも朗読させて頂きました。
発達障害(特にアスペルガー)でよく言われます、独特のこだわり…
これは特性ゆえのこだわりではなく実は、自分の身を守る処世術とそのこだわりが連動しているだけ…
だったりすることが、往々にしてある、というよりもほとんどだったりします。
(それがやはり独特のため、いじめの対象になったりすることも多いです)
私が講演で使用したパワーポイントではこう解説されております。
ココカラーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
成人(大人)発達障害当事者の生き辛さ②
経験は積めない…が、傷は残る。
・結局、できなかった。
・結局、怒られた。
・結局、なにがなんだかわからなかった。
その苦い傷が、新しいことをするときに常に疼く。
ココマデーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
親や先生に
「皆が出来る(それが曲者なのですが…)」
やり方を押し付けられて、しかし、それではなぜかできなくて、納得できなくて、腑に落ちなくて、それでも自分なりのやり方を追求することはかなわなくて…
そういうことが繰り返されると、さすがに発達障害の子どもも学習します。
とは言っても建設的な学習ではないケースの方が多い、です。
(できないことが多い子ども程、それは顕著でしょう)
もう傷つきたくない…
それを無意識に最優先した対処法なのですから、それも仕方ありません。
私の場合で言いますと、お説教されたくないので、とにかくその場を誤魔化す…
それだけに全てを集中すると言う対処法をしておりました。
「そのやり方だとなぜか自分は出来ないんです」
と、正直に伝えずに、親や先生の望む言葉を探して、それを理解し反省した振りをするのです。
とにかくお説教は嫌でした。
自分の出来ないことをただただ追求される空間は早く終わりにしたかったのです。
しかし…
それが建設的かというと、そんなことはありません。
何せ、また同じ失敗を繰り返してしまうのですから。
親や先生の怒り、失望は前以上です。
要は私に惑わされたわけです、欺かれたわけです。
今度はそうならないように徹底的に怒られます。
そうなれば私が観念するかと言えば、当然そんなこともありませんので、どんどんと関係が悪化していきます。
その結果、親や先生は私を見放すわけです。
「この子には何を言っても無駄だ」
と言う風に…
絶望的に聞こえるかもしれませんが、当時の私にとってはそれが望みでした。
もう放って置いてほしかったのです。
あれもできない、これもできない、できることなんかほとんどない中で、それを攻め立てられたら(親や先生にそのつもりはなかったのかもしれませんが…)
もう、うんざりです。
その状況をわかりやすく数字にしてみましょうか?
中学で三者面談というのがありました。
私と母と先生と…
で学習や生活について面談をするわけです。
私は戦々恐々でしたので、既に終わったクラスメートに尋ねました。
「面談って何分くらいするの?」
そのクラスメートは5分で終わったよ、と。
他のクラスメートに聞いても似たり寄ったりで長くても10分程度とのこと。
私は一安心しました。
「10分やり過ごせば、地獄は終わる」
じゃあ、実際どうだったかと言うと…
1時間半でした(暴)
今だと笑い話ですけど、本当に辛かったし、恥ずかしかったですよ。
先生は先生でこの機会に全部相談してやれ、と言う勢いですし…
母は母で初めて聞く私のトンドモ話に驚愕。
この際、ここで相談してしまえという勢いですし。
ある意味、非常に熱がこもっているのですが、その熱の方向性は私にとっては当然居心地が悪い地獄の業火(汗)
内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)の
「そのイマジネーション障害のために自己流の対処法がもたらす不利益については思いが至らないことが多い。」
この文章は親や先生によく自覚して頂きたいですし、そうならないための関係作りと環境作りに努めて頂きたいと切に願う次第です。
自己流の対処法が建設的ではない形で、発達障害特性のこだわりと結びついてしまうとかなり厄介ですよ、と。
内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)はこういったリスクに対する記述が非常に的確です。
曖昧にしない誠実さを感じます。
発達障害のお子さんを持つ親御さんに気をつけて頂きたいのが、可能性や成功例だけを見て、足元が揺らいでしまうこと、です。
どの方法にもリスクは存在します。
発達障害は十人十色、本当にオーダーメイドで療育・教育していくしかありません。
内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)はその点、バランス感覚の非常に優れた先生です。
しかも今回の講座…
『ネットで受講する 家庭で理解する 発達障害基礎講座』
は多岐にわたっております。
内山登紀夫先生(よこはま発達クリニック)の講座を何度も繰り返すことで、色々な可能性を常に常にシミュレーションして、すぐに軌道修正が可能な形でお子さんと向き合ってみて下さい。
ココマデーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーーー
今後のイイトコサガシ関連イベント日程。
発達障害ラジオ「ピカっと生きる」ライブラリーはこちら。
6月18日(土)47都道府県交流プロジェクト第15弾!
埼玉と東京を結ぶ「イイトコサガシ」発達障害交流ワークショップIN埼玉県川越市
6月26日(日)47都道府県交流プロジェクト第16弾!
茨城と東京を結ぶ「イイトコサガシ」発達障害交流ワークショップIN茨城県取手市
(茨城県自閉症協会との共催)
2011年1月23日高森さん講演会&成人(大人)発達障害当事者会の夜明けシンポジウムの様子
成人(大人)発達障害当事者会イイトコサガシの活動が、毎日新聞に紹介されました!
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イイトコサガシ過去の実績(新聞・会報・講演等)はこちら!
イイトコサガシは心理職アドバイザーが参加する、成人(大人)発達障害当事者会です。
イイトコサガシは今後も成人(大人)発達障害当事者(アスペルガー、ADHD、高機能広汎性等自閉症スペクトラム)の居場所作り(自助グループ)を進めて行きます。
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